雪誕コラボ2014 「キミと○○○○シ・タ・イ」
帰路を急ぐヤマト。
雪は涙ぐむ真琴の話を、食堂で頷きながら聞いている。
「そうなの……。よかったわね、原田さん! おめでとう」
「ありがとう、雪さん」
「加藤さんも、決めるときは決めるんだ。かっこいいなあ」
「地球へ帰ったら会えなくなるって思ったみたい。いきなりプロポーズだなんて、びっくりしたけど
嬉しくて、気が付くと頷いてました」
「そうなんだ」
年上の真琴が、初めて恋をした少女の様に瞳を輝かせている。
たまたま居合わせた食堂で隣に座ると、真琴の方から<実は加藤からプロポーズされた>と報告を受けた。
彼女のバラ色に染まった頬も、自然と浮かべた笑みも、美しいと雪は思った。
「原田さん、きれい」
「えっ」
「恋する女性って、体中から幸せオーラが出ているから、人の目を惹きつけるのね」
「あ、あははは。そうなんでしょうか? 雪さんからそんな風にいわれるなんて嬉しいです」
真琴は照れながら、ズズズと音を立てて残っていたオレンジジュースを飲み干した。
真琴が照れるのも無理はない。
その容姿だけでなく、聡明で明るい性格の雪は、誰をも魅了するからだ。
雪は男性からの人気も高いが、女性クルーの憧れの的でもあるのだ。
真琴は、そんな雪が、最近一段と綺麗になったと感じている。
雪が古代に好意を寄せていたのは、薄々知ってはいたが、ガミラスに拉致されてヤマトに帰ってきてからは、
一段と、その美しさが増したように思えるのだ。
これはきっと古代との仲がさらに進展したのだろう。
もしかしたら、自分と同じように古代からプロポーズされたのでは?と真琴は考えた。
「ひょっとして、雪さんも? 古代さんとの仲が進展してるんじゃないですか?」
「私と古代君? ど、どうかな……っ」
予想していなかった真琴からの問いかけに、雪は思わず答えてしまいそうになった。
ヤマトに戻ってきたあの日、古代とは、ごく自然に唇を重ねている。
あれ以来、別れ際にはいつもキスをする仲になったと言っていい。
合わせるだけだったキスが、最近ちょっと濃厚なものに変化しつつある。
そんなときの彼の目は、女の雪でもドキッとするほど色気があって、つい許してしまうのだ。
「雪さん、最近すごく綺麗だって皆噂してるから、これは古代さんと
何かあったなあと思ったんですけど」
「えっとね、古代君が私を助けに来てくれたでしょ? その時にユリーシャや、ブリッジクルーの
前で言ってくれたんだって。私を助けにいくのは自分だって。それが嬉しかったの。古代君
私には面と向かって言わないけれど、そんな風に思ってくれてるんだって、わかって」
雪は古代とのキスを思い出して、内心ドキドキしていたが、それを顔には出さずに
さらりと説明した。
雪の態度に、一見して不自然なところはない。嘘をついている風でもない。
けれど、真琴の目には、雪が何かを抑えているように映った。
雪は嬉しそうに話している。事実なのだろう。微笑ましいと思った真琴だが、古代の鈍さは恋人の加藤からも聞いていて
ここは雪の為に一肌脱がずにはおられない、と心の中で決意していた。
雪は特に悩んでいる風ではなかったが、持ち前の人の世話を焼きたがる性格が、むくむくと頭をもたげた。
「雪さん。この時代待ってるだけじゃダメです。女からもプッシュしないと! 古代さんの誕生日に
カードを送るのはどうですか?」
「古代君の誕生日はもう終わっちゃったの」
「終わっちゃってるのかー」
「そういえば今日は、島君のお誕生日よ」
「それは、いいこと訊きました! あとで皆でお祝いしちゃいましょうね」
「そうね。たぶんラウンジに居るんじゃないかな」
真琴の頭の中では、この時すでに島の協力が欠かせないものとなっていた。
「じゃあ、私先にラウンジに行ってます。雪さん、島さんへのカード持参で来てくださいね!」
「はい。じゃああとで」
真琴はトレイを片すと、急ぎ足で食堂を出て行く。
(慌ただしいのね)
そんな真琴を、雪は笑顔で見送った。
*****
「島さーんっ、ちょっといいですか?」
雪の話通り、島は古代と共にラウンジで休憩中だった。
真琴は短時間でおおまかな計画を練り、早速島にも協力を仰ごうと、相談のあるふりをして誘い出す。
「うん。何か用?」
島も古代も真琴の様子を怪訝に思うはずもなく、島は素直に手招きされる方へ進む。
「今日って、島さんお誕生日なんですよね? おめでとうございます!」
「ああ、そうなんだ。嬉しいな。ありがとう」
それでですね、と真琴は身を乗り出し、島に耳打ちを開始した。
古代は離れたところで、紙コップのホットティーを飲んでいる。
別段、島と真琴の相談する姿を怪しいとは思わずに。
島は、話し終えた真琴に向き直り「えっ、それってマジなの?」と目を丸くする。
「古代さん、面と向かって言わない人だって、さっき雪さんに聞きましたから。これってまわりがとやかく言うべきことじゃないんですけど。
お節介焼かないと、あの二人の場合、進展しなさそうで、雪さんが気の毒に思えちゃって」
ね?だから、協力してください! と真琴は一気に捲し立てた。
「よし、俺に任せとけ。あいつに見せつけてやるよ。これであいつがなんとも思わないノロマだったら
森くんは俺が横取りするくらいの熱い気持ちで!」
島の発した「森くん」に古代がわずかに反応を見せたが、島も古代も何もなかったように振る舞った。
*****
古代は、真琴と話し終えた島と談笑していた。少し離れた場所に玲や真琴、女子クルー数人の姿もあった。
「そういえば、今日、おまえ誕生日じゃなかったか?」
「やっと思い出したのか。そうさ。今日で俺も21歳」
「誕生日おめでとう」
そう言って古代は、島と持っていた紙コップを合わせ、”乾杯”をしてみせた。
「ありがとう。古代の誕生日は非常時だったから、ゆっくり祝うこともできなかったよな。今更ながらおめでとう」
島は、視線の端にある人物を捉えて、古代に気づかれないよう心の中でにんまりしている。
(これって船務科からの「誕生日カードの贈呈」だろうな)
船務科が、クルー全員にバースディ・カードを送っているのだ。
島の思惑通り、近づいてきた雪は、島たちの目の前で立ち止まり、島へにっこり笑顔を向ける。
島が古代の様子を盗み見すると、一瞬だが不満そうな顔を見せた。
「島君、今日お誕生日でしょう? おめでとう!」
「はい、こちらが船務科特製のお誕生日カードです!」
岬の高くて通る声は、ラウンジ内に響き、そこにいるクルー全員が「おや?」といった視線を島に向けたのだった。
「航海長、お誕生日なんですね! おめでとうございます」
「島さん、おめでとうございます!」
真琴が真っ先に駆け寄ると、その場にいた誰もが、
皆口々に祝いながら、島の周りを囲んだ。
「皆、ありがとう」
島も嬉しそうに答える。真琴が何か話そうと口を開きかけた時だ。
「何か欲しいものはある? もちろんヤマトの中で用意できるものって限られているけれど」
雪の言葉に、古代の頬がわずかに引き攣った。
(俺にはそんな事、一言もなかったぞ……)
少し拗ねたい気持ちの古代だった。
思いもよらなかった当人の雪からのナイスアシストに、真琴は瞬時に島に目配せを送った。
「うーんと。そうだなあ?」
きょろきょろと周りを見渡した島は。
ぐいっと雪と玲の肩を抱き寄せて、言い放ったのだ。
『島大介 ウハウハハーレムワールドの構築!』
「なっ!?」
「島さんっ!?」
「おい、島っ!」(テメー、雪に何しやがる!!)
「……なんてな。一度でいいから、両手に花ってやってみたいもんだ。なあ? 古代?」
「はあ?」
話を振られた古代は、咄嗟に「俺は、そんなの興味ない! お前と違って、お、俺は一途だからな! あ、相手は一人でいいんだ!」と叫んだ。
「相手って?」
「あ」
島のするどいツッコミに、古代は固まってしまった。
古代が漏らした本音に、雪の頬は、ポっと染まる。
それを見た古代も、自分が何を言ったのか理解して赤くなった。
二人は見つめあったまま、動けないでいる。
少し離れた場所で、南部がアイスコーヒーを盛大に吹き出していた。
玲や島、周りにいたクルーたち全員の心中はきっとこうだろう。
(あほクサ……)
一人真琴だけはにやにやした顔を雪に向け、小声で彼女に囁いた。
(傍から見てると、二人ともとっくの昔に恋に落ちちゃってるんですからね。雪さん、自信持って)
目を潤ませて恥らう雪と、そんな彼女から目を離せない古代。
気が付くと、広いラウンジに二人きりになっていた。
「……古代君は、一途なの?」
「まあ、そうだと思う」
「そうだと思うって、どういうこと?」
「俺は片手だけに花!」
「それって、つまり?」
自分の名をどうしても古代の口からききたい雪は、どうにかして彼に言わせようと試みる。
「つまり……」
「訊かせて」
「うん……」
「……」
何秒かの沈黙ののち。
「こういうこと!」
古代が雪の細い肩を抱き寄せる。
その瞬間を、陰から見守っていた真琴が、シャッターチャンス到来、とばかりにカメラのシャッターを切っていた。
「あれ? いてっ!」
雪は笑いながら、古代の手の甲を抓ったのだ。
「え? なんで?」
呆然とする古代に、雪は口を尖らせる。
「だって。ちゃんと言ってほしいもん!」
「ええええ~~」
雪は、古代からのアクションに、どうしても煮え切らなさを感じてしまう。
行動で示してほしい一方で、言葉だって欲しいのだ。
「どうして言えないの? それとも本当は私の事なんて、どうでもいいって思ってる?」
古代は、古代で、今日の雪の反応に戸惑っている。
(キスだってする仲なのに、どうして肩を抱くのはダメなんだ)
行動だけでは気持ちが伝わらないのか、と古代なりに悟り、雪に向き尚る。
「言えって?」
「うん!」
「よし。じゃあ言う」
古代は、コホンと小さく咳払いをする。
「私は、ちゃんと古代君の気持ちを知りたい」
古代の決意に、雪も応じようと潤んだ瞳で見上げた。
古代は、雪の唇に視線を落としてから、一旦顔を横に背けた。
彼女の魅惑的な唇の誘惑に、負けそうになる自分を抑え込んで。
「古代君?」
そして、雪の耳元まで近づき、囁いた。
「ゆ、雪と○○○○したい」
「こ、古代君! こ、こんなところで、そんな……」
軽くキスを交わすよりも、ドキドキする。
耳が熱い。雪は驚いて、古代を見た。
「俺がそう思うのは君一人だ」
動悸よ、鎮まれと願いながら雪は答えた。
「私、心の準備が……。ここじゃ、私言えないよ」
「言えって言ったのは君だ」
吐息交じりの言葉は、雪の体に甘く溶けていく。
***ココママさんの漫画へと続く!
24日アップ予定です。
2014 1223 riccahitomi
雪誕と言いながら島君の誕生日だし;クリスマスも関係ないし;;; なお話です;;
妄想ですよw
ココママさんとの合同サークル「六花」としての初コラボ作品v 詳しくはブログやオフラインコンテンツで。
帰路を急ぐヤマト。
雪は涙ぐむ真琴の話を、食堂で頷きながら聞いている。
「そうなの……。よかったわね、原田さん! おめでとう」
「ありがとう、雪さん」
「加藤さんも、決めるときは決めるんだ。かっこいいなあ」
「地球へ帰ったら会えなくなるって思ったみたい。いきなりプロポーズだなんて、びっくりしたけど
嬉しくて、気が付くと頷いてました」
「そうなんだ」
年上の真琴が、初めて恋をした少女の様に瞳を輝かせている。
たまたま居合わせた食堂で隣に座ると、真琴の方から<実は加藤からプロポーズされた>と報告を受けた。
彼女のバラ色に染まった頬も、自然と浮かべた笑みも、美しいと雪は思った。
「原田さん、きれい」
「えっ」
「恋する女性って、体中から幸せオーラが出ているから、人の目を惹きつけるのね」
「あ、あははは。そうなんでしょうか? 雪さんからそんな風にいわれるなんて嬉しいです」
真琴は照れながら、ズズズと音を立てて残っていたオレンジジュースを飲み干した。
真琴が照れるのも無理はない。
その容姿だけでなく、聡明で明るい性格の雪は、誰をも魅了するからだ。
雪は男性からの人気も高いが、女性クルーの憧れの的でもあるのだ。
真琴は、そんな雪が、最近一段と綺麗になったと感じている。
雪が古代に好意を寄せていたのは、薄々知ってはいたが、ガミラスに拉致されてヤマトに帰ってきてからは、
一段と、その美しさが増したように思えるのだ。
これはきっと古代との仲がさらに進展したのだろう。
もしかしたら、自分と同じように古代からプロポーズされたのでは?と真琴は考えた。
「ひょっとして、雪さんも? 古代さんとの仲が進展してるんじゃないですか?」
「私と古代君? ど、どうかな……っ」
予想していなかった真琴からの問いかけに、雪は思わず答えてしまいそうになった。
ヤマトに戻ってきたあの日、古代とは、ごく自然に唇を重ねている。
あれ以来、別れ際にはいつもキスをする仲になったと言っていい。
合わせるだけだったキスが、最近ちょっと濃厚なものに変化しつつある。
そんなときの彼の目は、女の雪でもドキッとするほど色気があって、つい許してしまうのだ。
「雪さん、最近すごく綺麗だって皆噂してるから、これは古代さんと
何かあったなあと思ったんですけど」
「えっとね、古代君が私を助けに来てくれたでしょ? その時にユリーシャや、ブリッジクルーの
前で言ってくれたんだって。私を助けにいくのは自分だって。それが嬉しかったの。古代君
私には面と向かって言わないけれど、そんな風に思ってくれてるんだって、わかって」
雪は古代とのキスを思い出して、内心ドキドキしていたが、それを顔には出さずに
さらりと説明した。
雪の態度に、一見して不自然なところはない。嘘をついている風でもない。
けれど、真琴の目には、雪が何かを抑えているように映った。
雪は嬉しそうに話している。事実なのだろう。微笑ましいと思った真琴だが、古代の鈍さは恋人の加藤からも聞いていて
ここは雪の為に一肌脱がずにはおられない、と心の中で決意していた。
雪は特に悩んでいる風ではなかったが、持ち前の人の世話を焼きたがる性格が、むくむくと頭をもたげた。
「雪さん。この時代待ってるだけじゃダメです。女からもプッシュしないと! 古代さんの誕生日に
カードを送るのはどうですか?」
「古代君の誕生日はもう終わっちゃったの」
「終わっちゃってるのかー」
「そういえば今日は、島君のお誕生日よ」
「それは、いいこと訊きました! あとで皆でお祝いしちゃいましょうね」
「そうね。たぶんラウンジに居るんじゃないかな」
真琴の頭の中では、この時すでに島の協力が欠かせないものとなっていた。
「じゃあ、私先にラウンジに行ってます。雪さん、島さんへのカード持参で来てくださいね!」
「はい。じゃああとで」
真琴はトレイを片すと、急ぎ足で食堂を出て行く。
(慌ただしいのね)
そんな真琴を、雪は笑顔で見送った。
*****
「島さーんっ、ちょっといいですか?」
雪の話通り、島は古代と共にラウンジで休憩中だった。
真琴は短時間でおおまかな計画を練り、早速島にも協力を仰ごうと、相談のあるふりをして誘い出す。
「うん。何か用?」
島も古代も真琴の様子を怪訝に思うはずもなく、島は素直に手招きされる方へ進む。
「今日って、島さんお誕生日なんですよね? おめでとうございます!」
「ああ、そうなんだ。嬉しいな。ありがとう」
それでですね、と真琴は身を乗り出し、島に耳打ちを開始した。
古代は離れたところで、紙コップのホットティーを飲んでいる。
別段、島と真琴の相談する姿を怪しいとは思わずに。
島は、話し終えた真琴に向き直り「えっ、それってマジなの?」と目を丸くする。
「古代さん、面と向かって言わない人だって、さっき雪さんに聞きましたから。これってまわりがとやかく言うべきことじゃないんですけど。
お節介焼かないと、あの二人の場合、進展しなさそうで、雪さんが気の毒に思えちゃって」
ね?だから、協力してください! と真琴は一気に捲し立てた。
「よし、俺に任せとけ。あいつに見せつけてやるよ。これであいつがなんとも思わないノロマだったら
森くんは俺が横取りするくらいの熱い気持ちで!」
島の発した「森くん」に古代がわずかに反応を見せたが、島も古代も何もなかったように振る舞った。
*****
古代は、真琴と話し終えた島と談笑していた。少し離れた場所に玲や真琴、女子クルー数人の姿もあった。
「そういえば、今日、おまえ誕生日じゃなかったか?」
「やっと思い出したのか。そうさ。今日で俺も21歳」
「誕生日おめでとう」
そう言って古代は、島と持っていた紙コップを合わせ、”乾杯”をしてみせた。
「ありがとう。古代の誕生日は非常時だったから、ゆっくり祝うこともできなかったよな。今更ながらおめでとう」
島は、視線の端にある人物を捉えて、古代に気づかれないよう心の中でにんまりしている。
(これって船務科からの「誕生日カードの贈呈」だろうな)
船務科が、クルー全員にバースディ・カードを送っているのだ。
島の思惑通り、近づいてきた雪は、島たちの目の前で立ち止まり、島へにっこり笑顔を向ける。
島が古代の様子を盗み見すると、一瞬だが不満そうな顔を見せた。
「島君、今日お誕生日でしょう? おめでとう!」
「はい、こちらが船務科特製のお誕生日カードです!」
岬の高くて通る声は、ラウンジ内に響き、そこにいるクルー全員が「おや?」といった視線を島に向けたのだった。
「航海長、お誕生日なんですね! おめでとうございます」
「島さん、おめでとうございます!」
真琴が真っ先に駆け寄ると、その場にいた誰もが、
皆口々に祝いながら、島の周りを囲んだ。
「皆、ありがとう」
島も嬉しそうに答える。真琴が何か話そうと口を開きかけた時だ。
「何か欲しいものはある? もちろんヤマトの中で用意できるものって限られているけれど」
雪の言葉に、古代の頬がわずかに引き攣った。
(俺にはそんな事、一言もなかったぞ……)
少し拗ねたい気持ちの古代だった。
思いもよらなかった当人の雪からのナイスアシストに、真琴は瞬時に島に目配せを送った。
「うーんと。そうだなあ?」
きょろきょろと周りを見渡した島は。
ぐいっと雪と玲の肩を抱き寄せて、言い放ったのだ。
『島大介 ウハウハハーレムワールドの構築!』
「なっ!?」
「島さんっ!?」
「おい、島っ!」(テメー、雪に何しやがる!!)
「……なんてな。一度でいいから、両手に花ってやってみたいもんだ。なあ? 古代?」
「はあ?」
話を振られた古代は、咄嗟に「俺は、そんなの興味ない! お前と違って、お、俺は一途だからな! あ、相手は一人でいいんだ!」と叫んだ。
「相手って?」
「あ」
島のするどいツッコミに、古代は固まってしまった。
古代が漏らした本音に、雪の頬は、ポっと染まる。
それを見た古代も、自分が何を言ったのか理解して赤くなった。
二人は見つめあったまま、動けないでいる。
少し離れた場所で、南部がアイスコーヒーを盛大に吹き出していた。
玲や島、周りにいたクルーたち全員の心中はきっとこうだろう。
(あほクサ……)
一人真琴だけはにやにやした顔を雪に向け、小声で彼女に囁いた。
(傍から見てると、二人ともとっくの昔に恋に落ちちゃってるんですからね。雪さん、自信持って)
目を潤ませて恥らう雪と、そんな彼女から目を離せない古代。
気が付くと、広いラウンジに二人きりになっていた。
「……古代君は、一途なの?」
「まあ、そうだと思う」
「そうだと思うって、どういうこと?」
「俺は片手だけに花!」
「それって、つまり?」
自分の名をどうしても古代の口からききたい雪は、どうにかして彼に言わせようと試みる。
「つまり……」
「訊かせて」
「うん……」
「……」
何秒かの沈黙ののち。
「こういうこと!」
古代が雪の細い肩を抱き寄せる。
その瞬間を、陰から見守っていた真琴が、シャッターチャンス到来、とばかりにカメラのシャッターを切っていた。
「あれ? いてっ!」
雪は笑いながら、古代の手の甲を抓ったのだ。
「え? なんで?」
呆然とする古代に、雪は口を尖らせる。
「だって。ちゃんと言ってほしいもん!」
「ええええ~~」
雪は、古代からのアクションに、どうしても煮え切らなさを感じてしまう。
行動で示してほしい一方で、言葉だって欲しいのだ。
「どうして言えないの? それとも本当は私の事なんて、どうでもいいって思ってる?」
古代は、古代で、今日の雪の反応に戸惑っている。
(キスだってする仲なのに、どうして肩を抱くのはダメなんだ)
行動だけでは気持ちが伝わらないのか、と古代なりに悟り、雪に向き尚る。
「言えって?」
「うん!」
「よし。じゃあ言う」
古代は、コホンと小さく咳払いをする。
「私は、ちゃんと古代君の気持ちを知りたい」
古代の決意に、雪も応じようと潤んだ瞳で見上げた。
古代は、雪の唇に視線を落としてから、一旦顔を横に背けた。
彼女の魅惑的な唇の誘惑に、負けそうになる自分を抑え込んで。
「古代君?」
そして、雪の耳元まで近づき、囁いた。
「ゆ、雪と○○○○したい」
「こ、古代君! こ、こんなところで、そんな……」
軽くキスを交わすよりも、ドキドキする。
耳が熱い。雪は驚いて、古代を見た。
「俺がそう思うのは君一人だ」
動悸よ、鎮まれと願いながら雪は答えた。
「私、心の準備が……。ここじゃ、私言えないよ」
「言えって言ったのは君だ」
吐息交じりの言葉は、雪の体に甘く溶けていく。
***ココママさんの漫画へと続く!
24日アップ予定です。
2014 1223 riccahitomi
雪誕と言いながら島君の誕生日だし;クリスマスも関係ないし;;; なお話です;;
妄想ですよw
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プロフィール

管理人 ひがしのひとみ
ヤマト2199に30数年ぶりにド嵌りしました。ほとんど古代くんと雪のSSです
こちらは宇宙戦艦ヤマト2199のファンサイトです。関係各社さまとは一切関係ございません。扱っているものはすべて個人の妄想による二次作品です。この意味がご理解いただける方のみ、お楽しみください。
また当サイトにある作品は、頂いたものも含めてすべて持ち出し禁止です。
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