「秘密」    とまみ



 走って後方展望室に駆け込むと、そこにはまだ古代くんの姿があった。
息を切らしている私の姿を不思議そうに見ている。
「どうしたの? ユキ。」
 そうよね。ついさっきまで、ここで、二人で、たわいもない会話をしていたんだもんね。
『おやすみ』と言って、明日の朝から勤務の私が、これから当直にはいるあなたと別れたのは、ついさっき。
なのに、こんな風にまた…なんて、びっくりよね。
 でもね、自室に戻る途中にすれ違った、女の子達の会話が耳に残って、
もう一度、顔を見て、確認せずにはいられなかったの。

「大丈夫? 」
 いえないよ。
『女の子に人気がある戦術長』が心配になった、なんて。

「わ、忘れ物…したの。」
 私はそういって、古代くんの唇に、軽く自分のを重ねた。

 みんなには言えないけど…、



 …私のもの…なんだから…



お題;にょろにょろ
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