Here With Me 2.5 ~Under decryption 戦術帳、暗号を解読中であります!


To Yuki Mori

メールありがとう。昼の休憩時間に全部読んで返信しています。
メールでの口調って硬くなってしまうけど、慣れていないだけなので気にしないで。

24日の事、まだわからないんだ。必ず君に逢いに行くから、僕からのメールを待っててくれる?
プレゼントは何がいいかな? 何か欲しいものはあるの?
なるべく君の希望に沿えられるようがんばるよ。

じゃあ、またメールします。古代
  
From Susumu Kodai 2199 1209




To Susumu Kodai

古代君、メールありがとう。お昼休憩はゆっくりできたのかな(*^ー^*)
私は無事に全部の検査を済ませました。
異常なし!との事です。よかった\(*^o^*)/
明日の再検査の結果次第で、
退院できるかもしれないの:*.;.*・;・^;・:\(*^▽^*)/:・;^・;・*.;.*:
退院したら、土方のお家に居候することになります。

会うのが難しくなるかもしれないけど、古代君のことはちゃんとおじさまに説明しています。
だから、恐がらないでね。おじさまって心配性なだけだから。

今日来てくれるんだよね? 待ってます(*^・^)CHU~☆
早くあなたに逢いたいなv 雪

From Yuki Mori 2199 1209





*****

ここは軍司令部の大食堂。時刻は午後12時を30分ほど過ぎたころ。
元ヤマト技術科クルーの桐生美影は、友人を伴って、カフェスペースで紅茶を飲んでいた。

「ねえねえ、どうしたの戦術長、さっきから頭抱えて、何かトラブル?」
「え? 何も問題ないはずだけど……」
「でも、もう30分もあの状態よ。お昼ご飯も食べてないし……」
二人の視線の先には、噂されていた元ヤマト戦術長の古代進が
何やら頭を抱えて、タブレットとにらめっこの最中だった。
と思えば、突然ニコニコと笑顔になったり。
トレイには和食党の彼らしい、”本日のA定食”が盛り付けられた状態のまま。
箸もつけていないようだった。

「どうしたんだろ? 何か変なものでも飲んだのかしら?」
二人の脳裏には、世界一マズイと称された”船務長のコーヒー”がちらついている。
「雪さんは、検査入院中のはず」
「じゃ、コーヒーじゃないわね」

噂をすればなんとやらで、ふたりの視線に気付いた古代が突然近寄ってくる。
「休憩中すまないが、とあるメールの件で聞いてもいいかな? 記号が書かれているんだ」
古代は、桐生に向かい話し始めた。その顔は真剣そのものだ。
「ハ、ハイ。私たちでお役に立つのなら」
「いずれも、文末なんだけど。小文字でブイって……何?」
(??????)
「あと、点々とゴミのようなものが……なんと表現していいのか、わからないな」
古代は、タブレットを覗き込みながら、人差し指でその”暗号”とやらをテーブルの
上に書き、説明しようとする。
(メールって、誰からの)桐生の頭に疑問符が沸く。
「これは山? 山が二つ並んでいたり」
(このヒトナニイッテルノ??)
(重要な機密事項じゃないでしょうね!? 真田さんに怒られちゃうじゃない!)
勘弁してほしい、と言いかけた桐生に、古代はとどめの一言を言い放った。
「おまけにシー・エイチ・ユーって」
「は? シー・アール・エスじゃないのですか?(コスモ・リバース・システムよっ! きっと)」

そこで、桐生は気が付いたのだ。
(それって……船務長!?)

「暗号解読って専門外だから勉強したことなくってさ。(ニッコリ)」

古代は、雪の送ったメールに何か仕掛けがあると勝手に思い込んでいたのだ。
(彼女はそっちの専門だからな。きっと俺をメールで試してるんだ)

(C・H・U、うーーん。入院している中央大病院の略かな。そうか
中央大病院U棟で待ってるってことか! だんだん解ってきたぞ!)

古代は、キラキラの笑顔を桐生に向ける。

「あのー、それって森さんからのですか??」
「えっ!!(なんで、わかったんだ?? それほどまでに簡単な暗号だということか!?)」
「図星……ですか?」
「あ。いや、その……」
「文末についているということは、相手への気持ちを表してのものだと考えられます」
「う、うん」
「最後の、シー・エイチ・ユーですが」
「?」
「チューです」
「ちゅう? ちゅうとは何の暗号なんだ?」
「(ヤダ、この人全くわかってないの!? 雪さん……)言ってもいいですか?」
「ああ!もちろん。(予想通りか?=中央大病院 U棟で待っている、の暗号か!)」
「あなたにキスしたい、です……」
「あ、……」
「古代さん、ラブラブなんですねーーーーっ!!」
「いいな~~私も彼にそんなメール送ってみたい~~」
「古代さんも返信の最後は ”ちゅう”で締めなくちゃだめですよ? 礼儀ですから(ウヒヒ)」
「俺は……、昼飯食わなくちゃ…君たち、ありがとう……」











冷めた焼きサバ定食はもう食べないのか。戦術長。

太田が指を咥えて古代を見つめていた。






2013 1219 hitomi higasino


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協力:ミエルさま
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